足の爪は切っておくこと

登山前には足の爪を切っておくこと【初心者向け】

登山前って忙しいですよね。

天気予報を何度も確認して、行動食を詰めて、ヘッドライトの電池を替えて、モバイルバッテリーを満タンにして。

必要な装備はすべて揃えたし体調も万全で抜かりはない。

ザックを背負って「よし、完璧」と思ったそのとき。

……足の爪、見ました?私はうっかりして何度かチェックし忘れたことがあります。

「まあ、伸びてないし大丈夫でしょ」

その“まあ”は油断そのもの、親指を地味に破壊します。

登山経験がある人ほど、「状況によっては致命的なミスを犯す可能性は誰にでもあるものだけど、経験を積んでいけば初歩的なミスはしない」という自信があります。

「ある程度経験がある人」のほうが、

  • 体力や装備には気を配る
  • コースタイムも確認する
  • 天気予報もチェックする

…のに、足の爪だけ忘れるという現象が起きがちです。

でも、足の爪は生活カテゴリ扱い。

山の準備にカウントされないんですよね。

ちょっとの長さが運命の分かれ道

手でも足でも切る爪の長さは数ミリです。

ですがこの数ミリの差が本当は快適であったはずの登山を地獄へと突き落とします。

どんなに天気が良くても、体調が絶好調であっても、気の置けない山仲間と登ろうと関係ありません。

家を出発してから爪を切るのを忘れていたと気付いたら途中でコンビニやドラッグストアで爪切りを購入する手もありますが、公共交通機関の場合はそれができないことが多くあります。

爪切り

ですがマイカーであっても登り始めたら装備の中に爪切りやヤスリがないと打つ手なしです。

たった数ミリ爪が長いだけでも登山の快適度は大きく違ってきます。

爪の切り忘れは何故起きるのか

登山前の準備というと装備と情報を思い浮かべますよね。

装備チェックや天候、行程確認に意識が向きすぎて、「爪」は生活習慣扱いになってしまい優先順位は低くなりがちです。

前回爪を切ってから「まだそんなに伸びていないだろう」と高を括り、そのとおりに何も問題が起こらないという成功体験を何度か繰り返すうちに、いつのまにか頭の中の登山前の確認事項から爪を切る項目が外されています。

足の爪

人は思い込んでいることを当たり前という前提でものごとを考えるので、、爪はしっかり伸びているのに頭の中では「短いまま」のイメージが残っているわけです。

加えて、足の爪の伸びは自分では気づきにくいもの。

「必要なモノはすべて揃えたし、わからないことも全部調べたから準備万端、抜かりはない」と思っていても、爪が伸びていたらそれはツラい登山の始まりの第一歩かもしれません。

手の爪ならこまめに確認しますが足の爪は視界に入る機会が少なく、「伸びてきたな」と意識するタイミングが遅れがちです。

特に普段プロテインを摂取している人は爪の伸びも早い傾向があります。

登山2~3日前にようやく気づいて切るつもりが、準備の慌ただしさに紛れてそのまま出発——という流れは、経験者にも初心者にも共通する失敗パターンです。

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登山前日にやること

下山で始まる、静かでありつつもツラい悲劇

爪が伸びた状態で山に入ると、具体的にどんな問題が起きるのでしょうか。

登りではあまり爪の伸びすぎの弊害はありません。問題は下りです

下山時は体重が前方にかかるため、ブーツの中でつま先が前にずれます。

このとき爪が靴の内側に当たり続けることで、じわじわと圧迫の痛みが生まれます。

登山の下り

親指の先が「コツ…コツ…」と靴に当たり始める。

最初は気のせいレベル。でも、1時間後。ジンジン。

さらに下る。ズキン。「いや、気のせいじゃないなこれ」

下山は体重が前にかかります。

ソールの上の足

ザックが重ければ重いほど、足は靴の先へと滑っていきます。

切り忘れたわずかに長く伸びた爪が全衝撃を受け止める。

帰宅後、靴下を脱ぐと親指が赤黒い。見事な“黒爪”完成です。

最初は「少し当たるかな」という程度でも、数時間の下りを経るうちに耐えがたい痛みに変わっていきます。

とくにアスファルトの林道では反発が強く足へのダメージも段違いです。

それと見落とされがちなのが巻き爪の悪化です。もともと巻き気味の爪を持っている人は、登山中の圧迫によって炎症を引き起こすリスクが高まります。

巻き爪は普段の生活では症状が出にくくても、登山という極端な負荷がかかる環境では一気に悪化することがあります。

「足が痛くなっても根性で歩けばいい」と思うかもしれませんが、思っている以上にツラいものです。足の痛みは集中力を削ぎ、姿勢を崩し転倒リスクを高めます。

黒爪

爪一枚の問題が山での安全に影響することもあるのです。

散々痛い思いをした結果、次回の登山では絶対に爪を切ろうと心に誓うのですが、あっさりと忘れて同じ過ちを繰り返すのが人間です。

正しい爪の切り方と、切るタイミング

登山前の爪切りは、登山の何日前に切ればいいかという点も気になるかもしれませんね。

爪の伸びる速さには個人差もあるのですが理想的なのは、登山の2〜3日前に切ることです。

切りたての爪は断面が鋭くなっており、靴下や隣の指を傷つけることがあります。数日置くことで爪の断面が自然に丸みを帯び、摩擦が減ります。前日や当日に慌てて切るのは、実はあまり好ましくありません。

とはいえあまり神経質になる必要もないと思われます。切り忘れるよりも出発直前でも切った方がよいのは言うまでもありません。

爪の長さの目安は、指の先端と爪の先端がほぼ揃うくらい、もしくはわずかに爪が短い程度です。

深爪は厳禁で巻き爪や炎症の原因になりますし、登る前から痛みを味わうことになります。

形はできれば丸く切る「ラウンドカット」ではなく四角く切って角を少し落とす「スクエアカット」が推奨されます。

角を丸く切りすぎると巻き爪になりやすいため、角を完全に削り落とさず、やや四角みを残す程度に整えます。その後、爪やすりで鋭い断面を軽く整えると理想的です。

足の爪を切る

個人的には角を残すと気になってしまうので、切り落としていますが特に問題は起きていません。

また、足の爪は手の爪と比べて硬いため、専用のフットケア用の爪切りを使うと力が入りやすく、きれいに切れます。お風呂上がりなど、爪が柔らかくなったタイミングで行うと、さらにやりやすくなります。

足の人差し指が親指より長い「ギリシャ型」の足の人は、人差し指の爪も入念にケアしてください。人差し指が靴先に当たりやすく、トラブルになりやすい箇所です。

まとめ

登山においての足の違和感以上ケガ未満のトラブルといえば、

  • 靴擦れ
  • マメ
  • 黒爪

この3つがトップ常連。

これらは初心者もやりがちですが、経験者でもやらかす人は結構います。

理由は油断です。

足のトラブルは様々ですが、爪が原因のトラブルは手入れを怠らなければ多くの場合防ぐことが可能です。

準備段階のパッキングリストに爪の項目を追加するだけで黒爪を作らずに済みます。

どんなに正しい歩き方をしていても、ちょっとだけ伸びた爪がすべてを台無しにしてしまうこともあるのです。

足の爪は切っておくこと
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