千畳敷カール

残雪期の木曽駒ヶ岳を登る

北・中・南の中で最も自分にとって馴染みのない中央アルプス。しかも中央アルプスは木曽駒ヶ岳しか登った経験はありません。

空木岳や越百山も登ってみたいのですが、登山スタート地点までのアクセスの困難さで遠慮してしまい勝手にアウェー感を感じていました。アクセスが容易なのはしらび平から千畳敷までロープウェイで登り、そこから木曽駒ヶ岳や宝剣岳を目指すコースです。

今回久しぶりの中央アルプスでしたが、4月の残雪期ということもあり千畳敷から木曽駒ヶ岳を目指すというスタンダートなルートとなりました。

特急あずさから飯田線へ乗り換え

わたしは東京在住で訪れる機会の多い山域は八ヶ岳や北アルプス、奥秩父あたりでたまに北関東といったところなのですがそれらと比べて今回は明らかに移動時間が長くなります。

そういえば御嶽山に登ったときも同様に長いと感じました。

関連記事:御嶽山 中の湯から登り五の池小屋に宿泊

新宿から特急あずさに乗り、岡谷駅で飯田線に乗り換えです。2両編成の飯田線がローカル感満載で駅によっては数分の停車時間があったりして、油断しているといつの間にか発車してしまうようなせわしない電車に普段乗ってる者の目には珍しく写りました。

因みに飯田線の大部分の区間ではICカードに対応してないので注意が必要です。※2025年4月現在

乗り換えの待ち時間も含め帰りの移動時間は合計10時間以上も掛かったことになりましたが、登山の行動時間は3時間と少しでした。

車だと登山の他に観光なども容易にできるのでもっと充実できますね。

因みにたとえば白馬方面なんかだとアクセスにもっと時間が掛かりますが、山小屋やテントなど宿泊を伴うこともあり行動時間もそれなりになるので長い時間掛けて来た割にはちょっとしか行動時間がなかったとは感じません。

伊那市で前泊

前回来たときは千畳敷ホテルに宿泊したのですが、一人での利用するには料金も含めてハードルが上がり断念することに。駒ヶ根駅から徒歩圏内にある駒ヶ根グリーンホテルは2日前だったこともあり空き室なし。

そこで飯田線で駒ヶ根より岡谷寄りにある伊那市で前泊をすることに。

伊那市駅

 

駅の近くには商店街があり、写真には写っていませんがそこそこ大きくキレイな本屋さんもありました。

伊那市駅前の商店街

 

今回お世話になったのはホテル伊那。駅から徒歩数分の立地です。素泊まりですが付近には飲食店やコンビニもあり食事には困りませんでした。

ホテル伊那

駒ヶ根駅からしらび平駅までバスを利用

駒ヶ根駅の前からロープウェイ駅までバスが出ています。始発は7:00で夕方まで30分おきに出ているので結構な本数になります。

また基本的に通年運行なので多くの地域でバスの減便や廃線が行われていることを考えるととてもありがたいですね。ただしロープウェイは点検日や工事、悪天候により運休になるようです。その際にはバスの運行区間も限定されるとのこと。

駒ヶ根駅

千畳敷カールは観光地でもあるので登山者以外の利用もあり、それなりのバス利用者を確保できているのでしょうか。とはいっても平日ということもあってか、この日の駒ヶ根駅を8:30発のバスには自分ひとりでした。

約45分でロープウェイ乗り場であるしらび平駅に着きます。

しらび平駅

マイカー利用者は菅の台バスセンターから利用することになります。バスセンターの近くには入浴施設や名物のソースかつ丼が売りの明治亭やガロがあります。

ロープウェイも含めて運賃や運行日は必ず中央アルプス駒ヶ岳ロープウェイの公式サイトで確認しましょう。

千畳敷カールを登る

しらび平駅で往復のロープウェイ券と帰りのバスチケットを購入。約7分で千畳敷駅に到着です。

ロープウェイ

しらび平駅からのロープウェイも乗客は自分ひとりでしたが、上のホテル千畳敷にはパラパラと登山者と観光客の姿が。スノーシューを履いた外国人のグループも見られました。

 

ホテルと直結した千畳敷駅を出るとお馴染みの宝剣岳の標識。ゲイターとアイゼンを装着します。写真では伝わりませんが、雪がまぶしくあまり好きではないサングラスも取り出しました。アウターまで着ると確実に汗だくになるので、上半身はミッドウェアでスタート。

宝剣岳

 

まずは雪崩多発地帯の千畳敷カール。前日に降雪はなく気温も暖かすぎなかったので雪崩の発生に神経質になる必要はありませんでしたが、もちろん油断はせず。トレースがついていますが足首くらいまでしか沈まないので比較的容易に進めました。

千畳敷カール

 

この日は登山者の数が少なくカールを見上げても一人しか確認できません。季節や積雪量にもよりますが千畳敷カールは急斜面なのでチェーンスパイクや軽アイゼンよりも前爪のある10本歯以上のアイゼンの方が安心なのは言うまでもありません。

千畳敷カールを見上げる

 

途中で事件発生。アイゼンを着け直そうとしたらフロントのゴムの部分がいきなり切れてしまった。経年劣化か?ピッケルをザックに密着させるために使っていたベルトループで応急処置。しっかりと靴に装着し、足を振ったり地面に強く蹴り込んでも問題なさそうなので撤退せずそのまま進むことに。

バンドが切れたアイゼン
応急処置をしたアイゼン

 

カラビナや細引きでも同様の処置は可能かもしれませんが、両方持ち合わせていなかったのでこのベルトループを持っていてよかったと心底思いました。

 

このコースはとにかくカールを登り切ってしまえば地形的な関門はクリアすることになります。急斜面の基本通り爪先を開き気味に登りますが、それでもふくらはぎがパンパンになります。汗冷えを感じなかったのは意識的にペースを落としていたのももありますが、熱を籠らせないインサレーションのおかげでもあったと思います。

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急斜面

乗越浄土から先は強風の世界

途中アクシデントもありましたがカールを登り切りました。風の通り道なのか乗越浄土に来ると強風が吹き荒れ、慌ててハードシェルを着込みました。それでも巻き上げられたスノーパウダーが顔に当たり痛かったのですがバラクラバは口元が凍るのがイヤなので着用せず横着しました。因みに前回積雪期に来たときは乗越浄土から先は吹雪いてホワイトアウト状態だったのでここで撤退しました。

浄土乗越

 

宝剣岳が見えます。山と高原地図では点線なのですが乗越浄土からはそうは見えません。こういう舐めた態度が事故の元になります。まだ登ったことがないのですが、まずは無雪期ですね。

宝剣岳

 

宝剣山荘と天狗荘でしょうか?ときおりまっすぐ歩けないほどの強風が吹いていました。

宝剣山荘と天狗荘

 

このあたりでエネルギー補給。あんこはあまり好きではないのですが雪山では重宝します。

豆大福

 

木曽駒ヶ岳の途中に位置する中岳。

中岳

 

中岳まで来れば木曽駒ヶ岳まではもうすぐ。

木曽駒ヶ岳

 

駒ヶ岳神社。相変わらず顔にスノーパウダーが当たって痛い。でもバラクラバはやっぱり使用せず。

駒ヶ岳神社

 

カールを登っていたときは晴れていたのにいつの間にか雲が出てきて怪しい天気に。

雲

 

千畳敷カールまで戻ってきました。ホテル千畳敷が見えます。アイゼンの歯がよく食い込んだので下りは楽でした。

千畳敷カールから見たホテル千畳敷

この後駒ヶ根名物のソースかつ丼を食べようかと思いましたが、二日前にとんかつを食べていたので諦めました。

千畳敷カール
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