夕食

折立から雲ノ平を経て新穂高温泉へ

雲ノ平は北アルプスの最深部に位置し、日本最後の秘境なんて呼ばれたりします。個人的には最後の秘境といわれると、アプローチの困難さから何となく南アルプスの南部あたりにありそうなイメージがするのですが、雲ノ平も日帰り登山は現実的ではありません。

そんな雲ノ平に富山県側の折立から入り、新穂高温泉へ抜けるルートを縦走しました。3日間のうち晴れたのは初日の午前中と3日目の午後のみで天候には恵まれず残念だったのですが、以前から泊まってみたかった薬師沢小屋と三俣山荘に宿泊できました。

雲ノ平への主なルート

最後の秘境と言われるだけあって雲ノ平へのルートはロングコースばかりです。

・折立から太郎平小屋経由
・新穂高温泉から双六小屋、三俣山荘経由
・裏銀座コース
・読売新道コース
・槍ヶ岳方面から西鎌尾根
多くの登山者が利用するのは折立からのルートと新穂高温泉のルートです。裏銀座や読売新道はなかなかの健脚者向けコースです。西鎌尾根を使うとすると、その前に槍ヶ岳に登ってからといったパターンが多いと思います。それに比べれば折立や新穂高ルートは幾分かやさしいルートといえます。それでもそれぞれ時間は掛かりますが。

前日は富山駅周辺で前泊

私は公共交通機関を利用するので、登山前日は富山駅から徒歩圏内のホテルに宿泊。駅前には好日山荘もあります。

好日山荘

 

富山市内には市電が走っており中にはレトロな車両も走っていました。

市電

 

また駅から5分ほど歩くといかにも昭和な感じのボーリング場がありました。

ボーリング場

 

折立から薬師沢小屋へ

折立行きのバスは富山駅前のロータリーから出ています。富山地方鉄道による富山駅から折立直通のバスは7月中旬から9月下旬の季節運行になっています。電話ネットでの予約制で満席になり次第締め切るので、週末などは早めに手配したほうが良さそうですね。本数は6:10発の一日一便のみ。折立には8:10着予定ですが途中でトイレ休憩があります。

折立直通バス
 
 
時刻表
 
折立登山口は薬師岳へのスタート地点でもあります。トイレと自動販売機がありました。登山口には駐車場がありますが、混雑時には更に奥のほうに臨時駐車場が設けられるそうです。
登山口
自販機とトイレ
 
登山道はすぐ急坂になりますが、特別危険なところはありません。
急坂
 
スタートから1時間ちょっとで視界が開けてきました。このあたりの森林限界はずいぶん低い標高にあるように思えます。折立から太郎平の間にはいくつかベンチが設置されています。ですが特に疲れていなかったのと、この日は午後から天候が崩れる予報だったので休まずに先を急ぎます。もし休むなら太郎平小屋の予定でした。
ベンチ
登山道
 
右手に有峰湖が水を湛えているのが見えます。
有峰湖
 
登山道に沿って植生復元のためのネットが被せてあります。当然ここには立入禁止。
植生復元
 
途中から階段が出現しますが、奥行きがほぼ一定なので割と登りやすかったです。
階段
 
このような稜線を眺めながら進むのは気持ちの良いものです。
稜線
稜線
 
太郎平小屋に到着。このとき雨が降り出してきたので休憩はせず、水の補給のみでレインウェアを着用し先に進むことにしました。売店は普通に営業していたので気付きませんでしたが、太郎平小屋はこの時点で宿泊と食堂は営業停止中でした。左の張り紙は雲ノ平山荘で掲示されていたものです。
太郎平小屋
営業停止のお知らせ
 
太郎平小屋を過ぎると段々と標高を下げ樹林帯に入り木道が続きます。雨は降ったりやんだりの繰り返しなので、レインウェアは着たまま行動。雨が降って濡れた状態だと木道は滑るので注意して進みます。
木道
木道
 
沢をいくつか超えますがすべて橋がかけられており徒渉箇所はありません。
橋
 
折立から約6時間で薬師沢小屋に到着しました。写真では見えませんが、入り口手前の左側には飲み物が冷やされていました。ビールの銘柄は山小屋では珍しいモルツ。
薬師沢小屋
 
薬師沢小屋は黒部川と薬師沢の合流地点に建っており、絶えず水の流れる音がBGMとなっている絶好のロケーション。このあたりはイワナ釣りでも有名です。
黒部川
 
薬師沢小屋はその立地の関係からか、築年数による老朽化によるかわかりませんが傾いています。ザックを持って階段を上がる時にそのことが実感できました。
傾き
 
割り当てられたのはカイコ部屋の下段でした。1人1畳のスペースで2人分ごとにビニールで仕切られていたのですが、ソロの場合はひとつの区切りをひとりで使わせてもらいました。
部屋
 
夕食は豚の角煮、蕎麦、野菜の煮びたしなど。角煮は味が染み込んでいて美味。
夕食
 
食堂の一角には本棚があります。その多くが釣り関係の本でした。夕食後はビールやウイスキーを飲みながらそれらの本をペラペラと至福の時間。消灯は21時でした。
本棚
本棚
 
朝食は鮭、卵焼き、ウインナー、きんぴらごぼうなど。
朝食

雲ノ平を経て三俣山荘へ

朝食を済ませたら出発です。小屋の前のちょっと怖い橋を渡ってスタート。
橋
橋
 
橋を渡るとすぐに雲ノ平と高天原方面の分岐になります。
分岐
 
雨が降り出しそうなのではじめからレインウェアを着て出発。分岐からすぐ急登が始まるので腕まくりしましたが、やはり大汗をかきました。
腕まくり
 
今回の山行で最もキツかったのは薬師沢小屋から雲ノ平へ至る登りでした。雨が降っていたのでウェアの内側が蒸れて不快だったのもあります。山と高原地図にも急坂と記載されていたのですが予想以上でした。
急登
 
長くツラい急登が終わると木道が出てきました。地図を確認すると等高線の間隔が広くなっており、やっと登りが終わったことにホッとします。
木道
 
アラスカ庭園に到着。ですが天気はすっかり雨模様で遠くは霞んでしまってます。雲ノ平は植物保護のため木道が敷かれています。
アラスカ庭園
アラスカ庭園
 
奥日本庭園。
奥日本庭園
 
晴れた日にこの景色を見たかった。

雲ノ平山荘まできました。ここも宿泊してみたい山小屋のひとつです。

雲ノ平山荘

 

しばらく進むとテント場が見えてきました。小屋からは結構離れた場所にあります。

テント場

 

祖父岳の分岐地点に着きましたが、雨が降りやまないので祖父岳、鷲羽岳は諦めて三俣山荘への最短ルートを選択しました。

祖父岳分岐

 

黒部川源流をこのロープを頼りに渡ります。絶対に落ちたくありません。

黒部源流

 

13時半前に三俣山荘に着きました。雨が降っていたからか小屋の中にはすでに多くの登山者が到着していました。三俣山荘はシャツやタオルを乾かす乾燥室の他にレインウェアを干すスペースがあります。部屋のタイプは薬師沢小屋と同じくカイコ部屋でした。トイレの個室は清潔でしたがすべて和式です。有料ですがスマホの充電サービスもあります。

三俣山荘

 

三俣山荘の食堂は三方から光が入る作りになっていてとても明るいです。コーヒーはサイフォンで入れてくれます。アルコール類はビール、日本酒、焼酎、ワイン、ウイスキーとひと通り揃っています。

食堂
食堂
 
三俣山荘の食事といえばジビエで有名です。
ジビエメニュー
 
夕食はジビエシチューにサラダ。
夕食

 

夕食後の食堂ではスライド上映を見ながらビールや焼酎、ウイスキー。

スライド

 

朝食はサルシッチャというソーセージの一種。とても味が濃いので1本でも食べ応えがあります。他に卵焼き、ポテトサラダ、梅干しなど。

朝食

 

双六小屋を経て新穂高温泉へ下山

3日目は6時半に出発。多くの登山者はすでに小屋を後にしていました。空は雲で覆われ相変わらず小雨が降っていました。

三俣山荘

 

双六岳に登ってもこの天候では展望は望めそうにないので迷わず巻道を選びます。今回3日間の山行でピークハントはなし。後悔もなし。

三俣峠

 

このあたりはクマの出没情報もあり、ちょっと緊張しながらガスの中を進みます。

ガス

最近は多くの山で熊に遭遇した話しを聞くので、気休めとお守り代わりに熊撃退スプレーを忍ばせておいたほうが良いかもしれません。実際に熊に出会ったらどうしようもないかもしれませんが、何もないよりマシかも。

巻道分岐に着きました。双六小屋までもう少し。

分岐

 

双六小屋に着いた時点で雨が止みました。少しずつ天候も回復気味でもうこれ以降は雨が降りそうになかったので、ここで上下ともレインウェアを脱ぎました。

双六小屋

 

弓折乗越に向かっている最中にだんだんとガスが晴れてきました。

登山道

 

弓折乗越から下っていくと、下の方に鏡平小屋にある池が見えてきます。

鏡平

 

登山も最後になり槍ヶ岳の稜線が顔を覗かせてくれました。できれば昨日雲ノ平にいるときに見たかったぞ。

槍ヶ岳

 

鏡平小屋に到着。前回ここを通過したときはかき氷を食べましたが、今回は立ち止まらず先を急ぎました。宿泊したこともありますが、とても良い山小屋です。

鏡平小屋

 

大キレットも見えました。槍ヶ岳から穂高へと続く稜線の眺望は鏡平小屋のウリでもあります。

大キレット

 

鏡平小屋から更に下り続けます。林道まで石の上を歩いて降りていきますが、登山の終盤で足に疲労が蓄積していることもあり、なかなかのツラさです。わさび平小屋では野菜が冷やされていたのでトマトを購入。

トマト

 

ようやく新穂高の登山口に到着。

新穂高温泉

 

松本駅に行くのに平湯でバスを乗り換えますが、時間がたっぷりあったので平湯の森で入浴した後ビールでひと息。

ビール

夕食
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