ネット通販の発達により様々なモノが気軽に購入できるようになりました。
登山用品も実際に店舗まで行かずともパソコンやスマホで簡単に手に入れることができますが、モノによっては実際に手に取って確かめる必要があります。
その筆頭は何といっても登山靴です。
登山初心者の中にはギアをなるべくネットで買い揃えたいと思っている人もいるかもしれません。はっきり言って登山靴をネットで購入なんて言語道断です。
例え自宅から遠くても、必ず出向いて実店舗で試し履きをして店員さんのアドバイスを受けて買いましょう。
靴は登山において最重要アイテム
登山においてすべての装備の中で最も重要なのは登山靴です。もちろんレインウェアなど他にも欠かせないマストアイテムはありますが、それらを全部ひっくるめてまず一番初めにあげられるのが靴なのです。
靴選びに失敗すると靴擦れを起こしたり、転倒などのトラブルの原因となります。
街中でも靴擦れを起こすと歩くの困難になります。ましてや重い荷物を背負って長時間歩かなければいけない登山においては致命的です。
登山は自分の足で歩いて上り下りしなければなりません。途中でタクシーを拾うことはできないのです。どうしても動けなくなり命が危険に晒されることになったら救助を要請するハメになります。
なので登山靴は自分の足にフィットしたものを選ぶ必要があり、実際に試し履きして履き心地を確認してから購入することを強くお薦めします。ネット通販ではそれは叶いません。
できれば登山専門店で購入すること
登山靴は登山用品専門店はもちろんですが、もっと幅広くスポーツ各種を取り扱ったスポーツ用品店でも店舗によっては購入できます。
ですができれば登山専門店で購入した方が良いでしょう。なぜなら登山用品店の販売員は専門知識を持っているので購入に際して適切なアドバイスをしてくれるからです。
登山靴には様々な種類があり、初心者はどれを選んでいいのかわかりません。ソールの硬さや足首のカバーなど登山の目的によってタイプが分かれます。
どのタイプが適切かわからないといって、違う種類の靴を予備として持って行くわけにはいきません。
わからないことや自分の考えは店員に伝えること
自分に最適の靴を選ぶためには店員さんに何でも質問しましょう。初心者だと色々聞くのは気が引けてしまうかもしれませんが、逆に店員さんは聞いてほしいと思っています。
初心者であれば今回が1足目になることやどういう登山がやりたいのか。もし登る山が決まっているのなら、具体的な山名を伝えるとよいでしょう。
購入者の情報が多ければ多いほど店員さんも購入者に合ったアドバイスを送りやすくなります。いきなり店員さんにオススメの登山靴はありますかと聞いても答えようがありません。
確かに経験を積めば靴を選ぶ際にも様々なことが自分で判断できるようになりますが、登山歴の長い人でも店員さんにわからないことを聞く行為はごく普通のことなので初心者もベテランも関係ありません。
もし実店舗で対面で商品を買うことに心理的なプレッシャーを感じているなら、店員さんと話をしながら靴を買う経験はそのハードルを下げてくれます。
試し履きには時間を掛けましょう
ビジネスシューズやスニーカーなら数分履いただけで判断するかもしれませんが、登山靴の場合は20~30分は時間を掛けても大丈夫です。
その際必ず歩き回ること。中には1足で1時間くらい試着している人もいますよ。あまり時間を掛けずに購入を決めてしまうと店員さんが不安に思います。
もちろん試し履きした際の履き心地を伝えてください。爪先が当たっている、幅が合っていない、足が靴の中でズレるなど気になった点はすべて伝えましょう。
このとき絶対に遠慮などしてはいけません!
登山靴はタウンユースの靴と比べてソール(靴底)が硬く、足首が固定されているのが特徴です。
ソールが柔らかいと歩きやすいのですが、長時間歩くと疲労につながります。また足首が固定されていると捻挫を防いで足が靴の中でズレません。
何を伝えたらよいのかわからない場合は、その旨を言えば店員さんのほうから聞いてくれます。わからないことは決して恥ずかしいことではありません。
またフィットした靴を見つけるまで何足試し履きしてもかまいません。1発目でベストの靴にありつけることは稀です。
店員さんは手間暇を惜しまず一緒にベストな靴を探してくれます。
もしフィットした靴が見つからなかった場合は、その店で購入しなくても大丈夫です。買わないと店に悪いからとか、その場の勢いなどで買わないようにしましょう。
合う靴がないのに理屈をつけて無理やり勧めてきたら、その店は信用しないほうが良いです。
店によって取り扱っている登山靴のブランドに偏りや特徴があるので、店をハシゴして探すのもアリです。
・履き心地や気になったことは遠慮せず店員に伝える
・何足試しても良い
・フィットした靴が見つからなければ購入しなくてもよい
・店をハシゴするのもアリ
店で試し履きをする際に靴下も厚めの登山用を着用します。店で用意している場合もありますが、他人が履いた靴下に足を入れることに抵抗がある人はあらかじめ用意していくか、履いて行ったほうがよいでしょう。
登山靴を選ぶ基準は色やデザインではない
登山靴を選ぶ際に最優先されるのは自分の足に合っているかどうかであり、色やデザインは二の次になります。
ザックやウェアならば色やデザイン、ブランドである程度購入を決めてもよい余地があります。
残念ながら登山靴に関してはそれらは最初に手に取るきっかけにはなりますが、購入するかどうかの要素としての優先順位は低くなります。
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値段については高すぎて手が出ないのは仕方がないとしても、安さ優先で選んではいけません。セール品だとしても足に合わなければもちろん買うべきではありません。
関連記事:登山装備は値段優先で選ばないこと
登山専門店の店員は頼りにして良い
一般的に店員は価格の高い商品だったり、多量の在庫を抱えている商品を勧めてくるものですが、登山用品店では命に係わるためその人に本当に合っているものを勧めてくれます。
特に靴は登山の最重要アイテムなので購入者の特徴を把握した上で適切な商品を選び出してくれます。
登山用品店の中にはサイトで登山靴をネット販売で取り扱っているところもありますが、個人的にはとても残念です。
ほかのギアに関してはともかく、靴だけは実店舗だけでの取り扱いにしてほしいものです。
まとめ
はじめにも書きましたが靴は登山において最重要アイテムなので妥協してはいけません。
足の形は千差万別であり、購入するにあたっては実際に履いてみて微妙なフィット感を探り当てていくことが重要です。登山用品店の店員さんはそのための強い味方になってくれます。
店でちょうどよい靴を見つけても、それと同じブランドで同じサイズを通販で買うのもダメです。運命の一足は名前やサイズではなく、実際に足を入れてみないとわかりません。
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