塔ノ岳のというより丹沢のメインストリートとも言えそうな大倉尾根、通称バカ尾根を登り尊仏山荘に宿泊してきました。塔ノ岳は日帰り登山で人気の山ですが、山頂から眺める夜景や日の出は素晴らしくそれを期待して宿泊しましたがあいにくの天気で展望はゼロという悲しい結果に終わりました。
塔ノ岳は登りやすい位置にある関係上、丹沢の中でも多くの登山者で賑わう山ですがほとんどの登山者は日帰りのため比較的に混んでいることはないとのこと。ただし2月下旬のダイヤモンド富士のときは宿泊者でいっぱいになるそうです。
大倉登山口へのアクセス
公共交通機関の場合、小田急線渋沢駅からバスで約15分で終点の大倉に到着です。朝の時間帯は1時間に4本ありそれ以降も1時間に2本のバスが出ています。これほどバスの便が多い登山口も珍しく、公共交通機関利用者としてはうれしい限りです。
マイカーだと大倉に150台収容の駐車場があります。ほかにも少し離れた場所に水無駐車場と諏訪丸駐車場があります。
塔ノ岳への主な登山ルート
塔ノ岳へ登る主なルートは
- 大倉尾根
- 鍋割山経由
- ヤビツ方面から
他にも丹沢山からのルートや長尾尾根などがあります。
このうち鍋割山経由のルートは大倉尾根と同じスタート地点になります。このルートは鍋割山荘で鍋焼きうどんを食べて塔ノ岳に登る人気のコースです。
初日 大倉登山口から塔ノ岳へ
電車に乗っているときから今日は天気は期待できないと思っていましたが、渋沢駅を出ると予想以上に空模様が怪しくなっていました。
大倉行きのバス停は北口の階段を降りてすぐのところにあるので迷いません。この日は9:50発のバスに乗りました。ですが出発までまだ少し時間があったにもかかわらず、昼食用のパンやおにぎりを購入するのを忘れていました。致命的な失敗ではなく、ちょっと後悔する程度でしたがうっかりミスでした。
約5分で終点の大倉へ到着。ここで登山届も提出できます。ポストの裏は登山情報のスペースになっており、下山後はここで荷物の整理にも利用できます。隣は売店兼レストハウスになっています。
大倉バス停からしばらく住宅地の中の舗装された道を進みます。鍋割山方面に行く場合はバス停のスタート地点から方向から違いますが標示があるので間違うことはあまりないと思います。
600mほど歩いたら登山口に到着。
朝方に雨が降ったので地面が湿っています。2月だというのに東京ではこの1週間のうち何日かは季節外れの20℃前後の気温を記録していました。桜だって暖かいと春と勘違いして花を咲かせることもあります。もしかしてヤマビルも勘違いして活動しだしていたらと警戒し始めの1時間ほどは地面を凝視しながら進みました。
季節外れの高気温に心配になり数日前にヤマビルファイターを購入していました。当たり前ですが都心部とは気温は違いますし、さすがに2月から動き出すはずもなく取り越し苦労に終わりました。ビビりすぎですね。
歩き始めてしばらくすると観音茶屋があります。山の中の甘味処といった感じでしょうか。気温は12℃。このあたりで着ていたソフトシェルを脱いでミレーのアミアミと長袖のベースレイヤーのみで行動。
左右どちらのルートも後に合流します。大倉高原テントサイトは丹沢では珍しいテントが張れる場所です。ヤマビルは大丈夫なのだろうか。
しばらく進むと先ほど分岐したルートと合流します。
この合流地点からテントサイト方面に200m戻ると展望の良いスポットがあるのですが、曇りで景色は望めそうになかったのでそのまま進みました。
見晴茶屋の前を通ります。その名の通り見晴らしが良いのですが、あいにくの天気なので素早く通過。
直近の情報収集を怠った自分のミスなのですが、雪がそれなりにあると思い冬靴で来たところ雪が見当たりません。自分の見た限りでは結局私以外の登山者はみんなスリーシーズンの登山靴でした。
駒止茶屋と堀山の家。
堀山の家を超えた分岐のところでやっと雪が出てきました。ですが最後までルート上に雪はほぼありませんでした。
花立山荘。妙に陽気なスタッフが登山客にお別れの挨拶をしていました。
今回の登山でルート上に残っていた雪は強いて言えばここくらい。
鍋割山との分岐点。塔ノ岳までもう少し。最近体重が増加していたことも関係あると思いますが、このあたりでもうグダグダ状態でした。なぜ太ったのかは身に覚えがありません。
やっと塔ノ岳に到着。しかし霧が立ち込め見晴らしはゼロ。登り始めてから雨はほとんど降りませんでしたが空模様はどんどん下り坂でした。このあたりの気温は6℃でしたが結局寒さを感じなかったのでアミアミとベースレイヤーでここまで通しました。体から湯気が出ていたのでもし上着を着ていたら内側が蒸れ蒸れになっていたでしょう。
本日のお宿である尊仏山荘。みやま山荘と蛭ヶ岳山荘には泊まったことがあるのですが、尊仏山荘は初めての宿泊です。この日の宿泊者は自分以外は2名のパーティーが2組の計5人でした。
入り口を入るとストーブのある受付け兼談話スペース。休憩もここを利用します。1泊2食付きで8,000円と今どきの山小屋では破格ともいえる安さです。夕食朝食ともに5時半からとのこと。丹沢の多くの山小屋に言えることですが水の貴重な小屋です。
2階は真ん中に廊下がありその両側に大部屋や上下に分かれた2人用の部屋が並んでいます。私はソロだったので2名用の部屋でした。ストーブがあるのは1階のみなので2階はやや寒さを感じました。
夕食はカレーにポテトサラダ、タケノコ、キャベツ、山菜、フルーツです。カレーはやや甘口で奥にある黄色い瓶のソースで辛口に味変できます。カレーは手作りでおかわり自由です。甲武信小屋や金峰山小屋、くろがね小屋などおいしいカレーを出す山小屋は多いですね。
売店の営業は19時までで消灯時間は20時です。
2日目 予定を変更して塔ノ岳から大倉登山口へ
朝食はおでんです。寒い季節に体の温まるおかずはありがたいですね。
夜中から続く雨は止む気配がなく相変わらず展望はなし。小屋前の地面は完全にぬかるんでいました。
結局塔ノ岳からの景色を拝むことなく下山開始です。実は2日目はヤビツ峠を経由して大山へ下山する予定でした。朝食の席で尊仏山荘のご主人から改めて計画を聞かれた際に、この天気でやる気を挫かれ意気消沈して登ってきた大倉尾根をピストンして引き返すことを伝えました。
一向に天気は良くなるとは思えない感じです。おそらく下山後に回復するのでしょう。登山あるあるです。
登山口の水道施設の手前から空が明るくなってきました。写真からはわかりにくいのですが、雨は上がりきっていないものの案の定天気はやや回復傾向です。
昨日は気付きませんでしたが梅の花が咲いていました。