登山において山小屋への到着時間はとても重要なポイントです。暗くなってから到着するのはもちろん論外ですが、まだ明るいからといって17時や18時になってから到着するのはかなりリスクのある行動といえます。
では何時までに到着すればよいのでしょうか。山小屋のある場所や条件にもよりますが、14時から16時くらいの間に着くよう計画を立てましょう。
登山は早出早着
登山は早出早着とよく言われます。行動は午前中をメインに考えたほうがよいです。別にお昼に山小屋に着く必要はありませんが、午後は余裕を持って行動できるよう午前中から時間配分を気に掛けておくことが重要です。
到着時間は山小屋のある場所によって目安が変わってきます。一般的に山頂近くや稜線上にある小屋は14~15時、山の中腹や登山口近くの小屋は15~16時くらいです。もちろん季節や天候によってはもう少し早めになることもあります。
中腹、登山口の小屋 15~16時
山小屋のホームページに到着時間の目安が記載されていることもあるのでチェックしておきましょう。
遅い到着だと注意を受けることも
もし山小屋への到着が遅れた場合、小屋のスタッフから注意を受けることもあります。なぜなら登山は命の危険と隣り合わせの行為だからです。時にはキツイ口調になるかもしれませんが、山小屋のスタッフも登山者のことを思って苦言を呈しています。
到着時間の遅れは山小屋のスタッフさんを心配させることになります。来るはずの登山者が来ていなければ、途中でアクシデントが起こった可能性を疑います。そんなところに無邪気に来られては神経を逆撫ですることになりますよね。
到着時間について厳格に考えている山小屋は多く、例えば17時を過ぎて到着したら夕食は出さないと公言しているところもあります。
ではなぜ遅く到着してはいけないのでしょうか。その理由は日が暮れるとひとえに危険が格段に増すからです。街中と山ではその危険度は比較になりません。
たとえ日が長く気温の高い夏でも安心できません。山の天気は変わりやすく、夏は午前中は晴れていても午後になると雷や霧が発生する確率が高くなります。
またにわか雨もしょっちゅう降ります。濡れた衣服を着たまま風に吹かれれば低体温症になることも。大袈裟に聞こえるかもしれませんが、条件さえ揃えば山では夏でも凍死する可能性があります。
山中においてはまだ明るいからといった油断は禁物です。山では日が暮れるスピードが平地と段違いです。特に秋の日は釣瓶落としと言われるくらい、あっという間に暗くなってしまいます。
登山には危険が付き物ですが、暗くなるとそのリスクが一気に高くなります。暗くなり視界が悪くなると、道迷いや滑落の危険性が増すことに。更に気温も急に下がり登山のパフォーマンスも低下します。
早朝から登り始めていれば、それだけ行動時間も長くなっており疲労も蓄積されているはずです。
登山において時間が遅れる原因はいくらでもある
計画段階で自分のペースを考慮しながらコースタイムを計算していても、実際の登山では計画通りにいかず時間が押してしまうことなんて珍しくありません。休憩の回数が多かったり、長めに休んだりすれば時間はどんどん経ってしまいます。
途中で体調が悪くなったりペース配分を間違えて体が動かなくなるなど、自己管理や不注意、経験不足によるものもあれば、急に天気が崩れてコンディションが悪化したなど、自分ではどうしようもないことが原因の場合もあります。
そんな登山者を目の前にしたときに、前者であればまだしも後者も含めて「山を舐めるな!」の一言で括ってしまう人もいますが、実際登山においては様々なことが起こります。
そして残念ながらそれらが起こる可能性をゼロにすることは誰にもできません。初心者だけでなく経験豊富なエキスパートでもです。できることは可能性を下げることだけです。
安全に登るためにやるべきこと
当然のことですが1日に行動できる時間を目一杯かかるような計画はするべきではありません。例え体力に自信があっても、それは理由になりません。
予想した時間よりもオーバーしてしまう可能性があることを念頭に計画を立てましょう。16時までに山小屋に到着したいならば、15時に着くよう出発時間やコースを設定するなど。
思わぬアクシデントが発生したときに、対処できる時間的余裕を持つことが大切です。
時間ギリギリに設定するのは計画ではなく挑戦です。挑戦が失敗したときは下手したら遭難ということになりかねません。
山小屋へ予約の電話を入れる際に到着時間やどこから登ってくるのかを聞かれることも良くあります。その時に「なるべく早く着くようにします」と一言添えると山に対する心構えが出来ている登山者と認識してもらえるかもしれません。
もし山小屋への到着が遅れるようなら、途中で連絡を入れましょう。もちろん携帯電話が繋がるならという前提ですが。
遅れてしまっても焦りは禁物です。焦りは判断ミスを招き道迷いやケガをする原因になります。
もちろん登りだけでなく、下山の際も途中で時間切れにならないよう計画すべきなのは言うまでもありません。ビバークか救助を呼ぶ羽目になります。
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