暑い季節の登山に持って行くと便利なグッズをご紹介します。暑さ対策を工夫すれば快適度が上がるだけでなく、リスクを抑えることにも繋がります。登山は重い荷物を背負って長時間歩くため水分不足になりがちに。暑さにあえいでいては尚更です。
ただでさえ体温が上がりやすい上に気温が高いと熱中症をはじめとした体調不良に陥りやすいのでしっかりとした暑さ対策をしましょう。涼しさを求めて山に来たはずなのに、暑さ対策が不十分だとこんなはずじゃなかったという事態になります。
熱中症対策は登山における重要なリスクヘッジ
登山におけるリスクヘッジといえば何を思い浮かべるでしょうか。滑落、転倒、道迷いなどのアクシデント、天候不良、体力不足、低体温症、熊や蜂などの野生動物との遭遇あたりですかね。暑い季節ではそれらと同様に熱中症も加わります。熱中症はそれらのリスクと比べて陥りやすいのですが、反面ちょっとした対策で回避しやすいのも特徴です。
熱中症の原因のひとつである体温の上昇は暑さを上手に凌ぐことで抑えることができます。普段の生活と違い、登山中に熱中症に罹ってしまうと病院にたどり着くまでに時間がかかってしまいます。熱中症の症状が表れたらなるべく早く対処することが重要です。自分だけでなく同行者の様子も注意する必要があります。
夏本番になると涼を求めて登山をする人が一気に増えます。山の涼しさは天国ですよね。ですが山で涼しいのは標高がある程度高い場合です。登山口や登り始めてからしばらくは暑さから逃れられませんし、低山の場合あまり涼しくありません。油断していると熱[…]
暑さ対策グッズ
夏山登山に便利な暑さ対策グッズをご紹介します。どれも金銭的に負担になるほど高価ではありませんので、気軽に試めせるものばかりです。
冷感タオル
登山中に冷感タオルを首に巻くことで頸動脈を冷やし体温の上昇を抑えます。水を含ませるタイプとそのまま使用するタイプがあります。
冷却シート
発熱したときにおでこに貼る冷却シートですが、脇の下や足の付け根の内側など太い動脈が走っている箇所に貼るのがポイントです。恥ずかしくなければおでこや首に貼っても暑さ対策にはなります。
冷感ウェットティッシュ
火照った顔や体を拭くとスッキリします。何日も入浴できない場合も重宝しますよ。また怪我をしたときに傷口をキレイにするのにも役立ちます。
手拭い
頭に巻くことで汗を吸い取って滴りを防ぎます。帽子の下に被ってもよいし、また怪我をしたときの包帯代わりにも活用できます。
ネッククーラー
水に濡らした冷感素材の布を首に巻きます。保冷剤を使用したタイプもあります。
冷却スプレー
ササっと服にスプレーするだけでヒンヤリ効果を体感できます。体臭が気になる人は消臭効果もあるタイプを選びましょう。登山には携帯タイプがおすすめ。
スプレーではなく塗るタイプもあります。
扇子
軽くてサッと使える扇子はあると重宝します。団扇は折りたためず持ち運びに不便です。その点コンパクトに畳める扇子は携帯性にも優れています。但し行動中は手が塞がるので使用を控えましょう。
登山口までバスに長時間乗る時にも便利です。例えば甲府駅から北岳に登るのに広河原まで約2時間バスに乗りますが、直射日光が当たる席だったりすると体調を崩しかねません。そうなったら登山どころではなくなります。
日陰のない稜線上で暑さでフラフラになりそうな時に扇子で涼しい風を送ると持ってきてよかったと心の底から思えます。
帽子
取り上げるまでもない程、基本中の基本の暑さ対策の定番です。キャップ型よりハット型の方が日除け効果は高いですが、岩場や梯子ではキャップ型の方が便利です。
登山を快適にしてくれるアイテムである帽子。直射日光を遮るだけでなく他にも様々なメリットがあります。なんとなく帽子がなくても大丈夫かなとか、登山靴やレインウェアなどと比べると重要度が低いように感じるかもしれません。ですが帽子を被ると確実に登[…]
保冷機能付きペットボトルホルダー
ペットボトルのドリンクの温度が上がるのを防ぎます。
保冷ボトル
保冷に関してはペットボトルホルダーより性能が上ですが、夏山登山で飲料をすべて保冷ボトルで持って行くのは現実的ではありません。
ハイドレーション
ボトルだと水分補給がおろそかになりがちです。手軽に水分補給できるのがハイドレーションの最大のメリットです。ウォーターボトルを家で凍らせて持って行けば、しばらくはキンキンの水が楽しめます。
スープジャー
高い保温性からアツアツの料理を持ち運ぶのに便利なスープジャーですが、保冷機能もありますので冷たい食べ物にも使えます。凍らせたフルーツを入れておくと登山のご褒美になります。また暑さ対策の話ではありませんが、夏山のテント泊で肉を持って行きたい場合、凍らせてスープジャーに入れれば次の日くらいまでは大丈夫です。
おすすめできないアイテム
登山にはイマイチおすすめできない暑さ対策グッズもあります。
ハンディ扇風機
手が塞がるのは扇子と同じですが、重量があるのと嵩張ります。そのデメリットを許容できるのならアリです。
電動ネッククーラー
登山に持っていくには重量があります。さらに数日に渡る山行では稼働時間が足りません。バッテリーが切れたらただの重りに成り下がります。登山において貴重なモバイルバッテリーをネッククーラーのために使うのはあまり賢いこととは思えません。
まとめ
登山は運動強度が高めのアクティビティで、自分が感じるよりエネルギーを激しく消費します。暑さはエネルギー消費に拍車を掛けます。暑さを凌ぐグッズを上手に利用して少しでも快適、安全に登山を楽しみましょう。尚、いくら暑くても防寒着となる長袖のウェアは必ず用意しておきましょう。