これから登山を始めようとしている人は、いざ道具を購入しようとしても何を基準に選べば良いのか判断がつかないことがあると思います。
ザックや靴やウェアなどそれぞれ買い揃えるべき物はわかっていても、それらの中から具体的に何を選べばよいのかがわからず、はじめのうちはとりあえず値段の安いモノで試してみようと思ってしまうかもしれませんが、その選択基準はオススメできません。
なるべく安く済ませたいのは人の性ですが、登山道具については値段よりも優先するべきことがあります。
それは自分の登山のレベルやスタイル、フィジカル、考え方にマッチしたモノをチョイスすること。もちろん懐具合との相談は不可欠ですが、残念ながら値段は最優先にはならないことが多々あります。安くて済んだのならラッキーと考えましょう。
「安い」イコール「買い」ではない登山道具
登山道具は自分や同行者の命を預けるモノでもあるので、安ければ良いという価格重視ではなく性能を重視します。安いからといって性能を無視したり妥協してはいけません。
いくつか選択肢がある場合、自分が求めている性能を持っている中から、より低価格なほうをチョイスするなら問題ありません。
必ずしも性能と価格は比例するわけではありませんが、やはり高性能なアイテムは値が張る傾向にあります。
逆に判断がつかないからとりあえず値段の高い方を選んだとしても、それが自分にマッチするとは限りません。
またブランドによっても価格が違ってきます。例えばアークテリクスは強気の値段ですが、モンベルは性能に問題ありませんが比較的低価格です。
登山道具を一通り揃えようとするとトータルで結構な金額になってしまいます。テントやシュラフが必要のない日帰りや山小屋泊の装備でも初期費用には10万円前後掛かることを覚悟してください。
なので少しでも安いモノを選びたくなるのですが、その選んだモノが自分に必要とされている機能や特徴を備えているか判断した上での話になります。
例えばTシャツひとつとっても速乾性のあるポリエステルと乾きにくいが保温性のあるメリノウール。安いのはポリエステルですが汗が乾きにくい条件の登山であれば高価であるメリノウールを選ぶこともあります。
デザインも最優先にはならないこともある
登山道具に限らず何かを購入する場合、デザインは大きな要因になります。ですが、こと登山においてはデザインも後回しになる場合もあります。
特に登山靴はいくら好みのデザインでも自分の足にフィットしなかったらその靴とは縁がなかったことになります。
逆にザックなどは容量や背面長が合っていれば、登山靴ほど厳密にフィット感を求められるわけではないので比較的デザインで選ぶ余地があります。
更にシャツやシェルなどウェア類は種類も多いので、好みではないデザインを着るケースはさほどありません。
経験を積むことにより自分に合ったモノが判断できるようになる
初心者が自分の現実的なレベルやスタイルを把握することは困難です。はじめのうちは登山用品店の店員に色々質問してアドバイスをもらいながら、自分に合っていると思われるモノを購入するのが近道です。
そのためにも自分がどのような登山をやっていきたいのか、初めからはっきりとした目標は立てづらいかもしれませんが、ぼんやりとでもイメージしておくことが大切です。
登山初心者は店員にいろいろ聞くのは躊躇してしまうかもしれませんが、登山用品店ではごく普通のことなので、わからないことがあれば遠慮なく質問しましょう。
どの季節にどこの山にどんなスタイルで行きたいか、例えば8月に八ヶ岳の赤岳に美濃戸から行者小屋へ泊まり、文三郎尾根から赤岳に登りたいなど具体的に伝えると店員もアドバイスしやすくなります。
もちろんネットや書籍で自分で調べる行為も大切です。初心者向けの内容でないことも多々ありますが、エキスパートと呼ばれている人がSNSなどで発信している情報も参考になります。
登山を始めてみようと思い立った時にまず何から揃えればよいのかわからない人も多いかと思います。登山道具は種類が多く、初心者にとっては途方に暮れてしまいますよね。初めから全部買い揃える必要はありませんし、日常使っている物で代用が利く場合もあ[…]
何度も山に登っていると当初は視界に入らなかった選択肢に気付くポイントがあります。初めからベストな選択ができないことは当然です。経験を積むことにより、自分にとってより良いモノを選ぶ目が養われます。
そうなるとメディアや店員が薦める物と自分の求める物が違ってくることも。そのようにして、その人なりの登山スタイルが出来上がっていきます。