穂高と名の付く山は奥穂、北穂、西穂、前穂と4座あります。前穂高岳のみは西穂から奥穂、北穂へ続く主稜線からずれた位置にあるため、それらの山並みを一望できる絶景スポットです。アルパインクライマーにとっても人気の山ですね。
9月の中旬に上高地にある小梨平のキャンプ場にテントを張り、重太郎新道をピストンして前穂高岳に登りました。一般ルートで前穂高岳に登るのにポピュラーなのは途中の岳沢小屋で1泊するパターンです。あまり大した理由ではないのですが、往復約10時間のコースを1日で歩いてみたかったのと、登った日に自宅に帰りたくなかったので安く済むのもありテント泊で行ってきました。
夕方に上高地に到着
朝9時まで仕事だったので10時過ぎに自宅を出て17時前に上高地に到着。2週間ほど前に北穂と奥穂に登ったときも初日は夕方に上高地に到着して小梨平にテントを張りました。
涸沢といえば涸沢カールを連想しますが、涸沢岳という山もあります。奥穂高岳と北穂高岳に挟まれなんとなく存在感が薄く、山頂もそっけない感じの山なのですが、涸沢岳と北穂を結ぶルート上にはクサリや梯子が所々に出現し中々スリルに満ちています。8月[…]
前回より涼しくなっていました。秋は確実に訪れています。
オーダーストップ数分前の小梨平食堂に駆け込み前回と同じくカレーと生ビールを注文。
暗くなる前に急いでテントを張りアルコールはほどほどにしてさっさと就寝。
重太郎新道で新穂高岳をピストン
4時に目覚ましをセットしましたが、ちょっと早すぎたのか二度寝をしてしまい起きたのは5時20分。6時に出発しようと思っていたのですが、当然間に合わず7時過ぎのスタートとなりました。ですがこの時間でも遅すぎることはありません。小梨の湯がオープンしている18時までに戻るのが目標です。
河童橋を渡ってスタートです。
天気はあんまり期待できなさそうです。
上高地周辺では猿の姿は珍しくありません。
梓川の右岸を歩いて行くと10分ほどで岳沢小屋への登山口があります。
しばらくは樹林帯が続きます。急登はないのですがコンスタントに登りが続きます。
天然クーラーの風穴とありますが、まったく涼しくありませんでした。
左手にガレ場が見えてきました。このガレ場は岳沢小屋の遥か上まで続いています。
岳沢小屋に着きました。上高地から前穂高やその先の奥穂高を目指す登山者の多くがこの岳沢小屋に1泊します。
ポカリスエットとテントの中に忘れてきたタオルと頭に巻く手拭いを購入。
岳沢小屋からは上高地より前穂高までの方が距離が短いのですが、コースタイムは長くなります。ここから重太郎新道の核心に入ります。傾斜もキツクなりより細心の注意が求められます。
あまりゆっくりする時間の余裕もなく、ひと息ついたら出発します。
岳沢小屋を過ぎるとぐんぐん標高を上げていきます。途中で熊の糞らしきものがありましたが運良く遭遇はしませんでした。
やや長めの梯子。恐怖感はありませんが登山者が多いと渋滞の原因になりそうです。
登りと下りでそれぞれ一方通行になっている箇所がありました。事故多発地帯だそうです。
カモシカの立場。このあたりまでが重太郎新道の前半になります。
振り返ると焼岳。わかりにくいですが手前には帝国ホテルも小さく見えます。
焼岳小屋2020年に宿泊しました。かなり雰囲気のある山小屋でした。
上高地の手前に位置する標高2455mの焼岳は現在活動中の活火山で、北峰と南峰を持つ双耳峰です。南峰は立ち入り禁止になっているので登頂できるのは北峰となります。日帰り登山も可能な焼岳ですが、山間に建つ焼岳小屋には以前から興味もあったので宿[…]
左手に西穂高から奥穂高へ続く山並みを見ながら登り続けます。
急登は続きますがあまり難しいところはありません。
稜線が見えてきました。紀美子平までもう少しでしょうか。
雷鳥広場はビュースポットですが雲が立ち込めていたので写真は撮らずに進みました。
紀美子平は前穂高山頂と奥穂高へ向かう吊り尾根との分岐点になっています。多くの登山者はここでザックをデポして前穂高へ向かうのですが、軽いアタックザックを背負っていたのでわざわざデポせずそのまま頂上へ。
やっと山頂に到着です。紀美子平からグダグダになりこの区間はコースタイムよりも時間が掛かってしまいました。アタックザックに長袖の山シャツを忍ばせておきましたが、山頂でもさほど寒さは感じず結局出番なし。
ごらんのとおりのガスで涸沢カールは見えず。ですが明神岳はわずかに姿を見せてくれました。
北尾根方面。ガスが晴れる気配がまったくなかったので10分ほどで下山開始。次回前穂高にリベンジのときは吊り尾根経由で奥穂高への縦走になりそうです。
岳沢小屋が見えますがなかなか近づきません。登りのときはさほどではなかったのですが、重太郎新道は下りはとても歩きにくく感じました。吊り尾根を通過したあとに岳沢小屋が見えたと油断していると、ちょっとした注意力散漫から容易に転倒や滑落を起こすだろうと思わされるような感じのルートです。一目でわかるような危険個所がないだけに、余計に厄介かもしれません。
午後になりにわか雨が降ってきました。レインウェアを着用するほどではありませんが、登山道が濡れてスリップに注意です。
梓川の右岸まで降りてきました。のどかな川沿いを河童橋まで歩きます。
もう夕方ですが振り返ってみても青空はほとんど回復していません。
河童橋を渡ってゴール。小梨の湯が開いている18時前までに戻りたかったのですが、この時点で16時半過ぎ。出発時間と重太郎新道のコースタイムから考えて十分間に合うとは思っていたので、時間に追われるようなことはありませんでした。
最終日は朝イチのバスで帰路につく
十分睡眠を取った最終日は特に予定はなく、混む前に帰りたかったので朝イチの7:50発のバスを予約しました。ちょっと雲がありますが昨日より天気は良さそうです。登る日を間違えたか。