登山中の顔汗問題

登山中の顔汗問題【初心者向け】

汗掻き体質の人にとって登山は汗との闘いです。

まだ登山を始めたばかりの頃、次から次へと噴き出る汗を拭くのが面倒になってそのままにしていると、すれ違いざまに汗まみれの顔を見た登山者から「大丈夫ですか?」と心配そうに声を掛けられたことが何度かありました。

登山開始から30分もするともう額から汗がポタポタと落ち始めます。1時間後には鼻の頭がテカテカ光って、2時間後には顔全体が汗でびしょ濡れになりタオルが手放せなくなります。

その持参したタオルはすぐにグチョグチョになって出汁の効いたイヤなニオイを発しています。

涼しい顔して颯爽と歩くなんて夢のまた夢です。とてもじゃないけど、叶いそうにありません。

たとえどんな天気に恵まれていようとも、というか天気が良ければ当然掻く汗も多くなり素晴らしい景色を享受できる代わりに顔中汗だらけという状態は避けられません。

汗を掻きやすいかどうかは基本的に体質によるものなので、なるべく汗を掻かないようにするのも無駄とは言いませんが、掻いた汗にうまく対処する方が現実的といえます。

顔から滝汗の苦労と諦め

汗をあまり掻かない人からしたら

「汗をダラダラ掻くなんて真夏の炎天下の時だけでしょ」

と思うかもしれませんが、筋金入りの汗掻き体質の人は雪山でも油断していると汗がビッショリ状態に。

顔の滝汗は年中無休!

なるべく汗を掻かないよう歩き方やペースを意識していてもお構いなしに汗は噴き出てきます。

頭部からの汗は総発汗量の約20~30%ほどといわれているので、背中や脇などそのほかの部位からの汗の量の方が多いはずなのですが、体感としては半分以上は顔汗なんじゃないかと疑いたくなるほどです。

天気の良い日の登山道

顔以外の汗は登山に集中していれば行動中はさほど気にならないものですが、顔汗は鬱陶しく集中力を削がれます。

拭いても拭いても噴き出てくる汗は途絶えることを知りません。

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女性だとメイク崩れの心配がありますが、男性はそもそも女性に比べて発汗量が段違いに多い傾向がありクサさも強烈です。

当然体内の水分やミネラルは失われていきます。汗を掻きたくないからといって水分補給を減らすわけにはいきません。

水分補給

水分だけでなく必ずミネラル分も補給しましょう。

足が攣りやすい人はマグネシウムを補給すると痙攣のリスクが下がります。

こんなに汗を掻いているのは自分だけじゃないはずと、ふと同行者の顔を見るとそんなに汗を掻いているようには見えなかったりします。

「汗掻いていないの?」と尋ねると「イヤ、結構汗だくだよ」などと答えていますが、どう見ても自分と比べたら遥かに爽やかに見えます。

しっとりと汗を掻いているかもしれませんが、こっちはしっとりどころかダクダク、ボタボタでレベルの違いを痛感させられます。

体質なんだからしょうがないかと、目にしみる汗を拭きながら諦めの境地にはなるのですが、それでも少しでもなんとかしたいものです。

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山は暑いし寒い

顔汗を掻く原因

汗をかくこと自体は体にとって非常に重要な機能です。体温を調節するために汗をかくことで、オーバーヒートを防いでいます。

特に登山のような激しい運動をしていると体温が上がりやすく、汗をかくことで体を冷やす必要があります。だから汗をかくことは悪いことではなく、むしろ健康的な反応なのです。

顔から汗

なので発汗は決してジャマだったりムダなことではないのですが、それでも不快であり迷惑ではあります。

でも何で顔ばっか汗を掻くのだろうか?

顔に大量の汗が流れ落ちると、視界が悪くなったり、気持ち悪くなったりすることもありますよね。特に、汗が目に入るとしみるし、眼鏡をかけている人にとっては曇ってしまう原因にもなります。これが汗っかき体質の人が抱える登山中の悩みの一つです。

顔や頭部から大量の汗を掻くのは、熱に弱い脳を守るため気化熱で冷却する必要があるからです。

体温が上がると体は効率的に頭を冷やそうとするために、血流を増やし熱を放出しようとします。このため顔・頭部は汗腺が多く血管も密集しており発汗量も多くなります。

更に顔は衣服に覆われていない分、蒸発(気化)しやすく、汗腺は「汗が蒸発しやすい部位」を優先して稼働するので汗が出やすい条件も揃っています。

登山中の顔汗対策

顔汗に限りる話ではありませんが、スタート時は少し涼しく感じるくらいのレイヤリングを心掛けましょう。歩き始めればすぐに体温が上昇してきます。

レイヤリングを工夫しても汗掻き体質である以上、汗だく状態になることは避けられません。

それでも汗対策をして気分良く山に登りたいものです。

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タオル

顔汗が酷い私は登山の際に持って行くタオルの選択を誤るとそれだけで全体の満足度が下がります。

汗をあまり掻かない人にとっては些末なことかもしれませんが、汗っかきにとってはタオルのチョイスが快適度を左右することに。

うっかり吸水性の乏しいタオルしか持っていなかったりするとあっという間にビショビショになり、たとえ炎天下の猛烈な太陽の熱をもってしても乾くことはなくその状態で使い続けるハメになるのです。

大量の汗を拭きとることを考えると速乾性のあるタイプがおすすめです。厚みのあるフカフカのタオルは肌ざわりは良いかもしれませんが、嵩張ることもあり登山では使い勝手がイマイチです。

コンテックスは個人的に肌ざわりが好みのタオルです。

ザックのショルダーベルトに装着できるカラビナ付きのコンパクトサイズは携帯性に優れています。

タオルをショルダーベルトに装着したい場合はタオルホルダーが便利です。

速乾性、コンパクト性、軽量性、携帯性、抗菌仕様などこのあたりの要素を考慮してタオルを選びましょう。

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登山に持って行くタオル

ヘッドバンド

しょっちゅう汗を拭くのは結構ストレスです。さっき拭いたばかりなのに容赦なく汗はにじみ出てくるのでキリがありません。

そこでヘッドバンドで汗を吸収して顔に垂れてこないようにすれば快適度が上がります。

HALOのヘッドバンドは汗を頭の左右に逃がす構造になっており、他のヘッドバンドとは一線を画しています。

手拭い

手拭いを頭に巻いて頭部から染み出る汗を吸いこませます。顔に垂れてくる汗をかなり軽減できる優れモノ。

タオルで汗を拭く回数が変わるので個人的に特に真夏の暑い時期は重宝しています。

手拭いなので保水量はあまりないのですが、生地が薄いので真夏だと手拭いに吸収された汗がどんどん乾燥します。

怪我をしたときに包帯代わりに使えますし、軽量で嵩張らないのもメリットです。

帽子

直射日光を遮るほかにも頭部の保護という目的もあります。

キャップ型とハット型があり、それぞれメリット・デメリットがあります。

通気性や速乾性、UVカット機能などを考慮して選びましょう。

関連記事:登山で帽子が必要な理由と選び方

汗拭きシート

行動中というより山小屋や電車バスなど、汗のニオイを振りまきたくないシーンで重宝します。

自分では自覚がなくても実はとんでもなく匂ってることもめずらしくありません。

顔用制汗剤

完全に汗を抑えることは難しいですし、効果は一時的なものですが制汗剤も有効な手段です。

クリームタイプやスプレータイプ、液体タイプなどがあります。

私は男性なのでよくわからないのですが、女性登山者なら制汗剤は基本かもしれませんね。

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