立科山は八ヶ岳連峰の最北端に位置する独立峰で諏訪富士とも呼ばれています。標高は2531メートルで頂上はゴロゴロとした岩で覆われており、蓼科神社の奥宮が祀られています。
八ヶ岳の端っこにあるためかやや地味な存在の蓼科山ですが、諏訪富士の異名のとおり円錐形の美しい山容を呈しています。晴れた日には頂上から360度の展望が楽しめるのですが、一方で霧で視界ゼロのケースも多く私が登った時も日頃の行いからかやっぱりガスっていました。
7月の中旬に以前から泊まってみたかった蓼科山頂ヒュッテに宿泊し北横岳を経由してロープウェイ駅まで縦走しました。
蓼科と立科
山の名前は蓼科山ですが、町名は立科町で字が違います。唱和30年に芦田村、横鳥村、三都和村の三村を合併した際に蓼科山にあやかって蓼科村に決定しようとしたところ、当用漢字に蓼の字がなかったことから立科になったとのこと。また蓼科山はかつて立科山という字も当てられていたそうです。山は立科町に含まれますが蓼科高原はお隣の茅野市に含まれます。
蓼科山の登山ルート
蓼科山に登るルートはいくつかあります。女神茶屋のある蓼科山登山口からのルートは健脚者向けのコースです。蓼科山頂ヒュッテのスタッフさんによると年末に山小屋に宿泊する場合はほとんどこのルートを使うとのこと。因みに令和5年は登山口まで来る路線である蓼科高原ラウンドバスの運行がないようなので公共交通機関を利用する場合は要注意です。
竜源橋は女神茶屋と同じく蓼科高原ラウンドバスでのアクセスとなります。マイカーの場合は小さな駐車場がありますがトイレはないので要注意。
大河原峠からのルートは標高2093メートル地点まで車道が通っており、最もなだらかなコースです。バス停はなくマイカーでの利用となります。
今回利用したのは蓼科牧場からのルートです。営業期間中であれば標高1830メートルまでゴンドラリフトを利用できます。マイカーを利用する場合は蓼科牧場から1時間進んだところにある七合目登山口からスタートです。こちらも蓼科山登山口と並んで人気のルートとなっています。
蓼科山登山口以外のルートは蓼科山荘のある将軍平を経由します。将軍平から蓼科山への登山道はコースタイムは30分ほどですが、大石の続く急登で雨で濡れている状態だと滑りやすく、特に下りでは注意が必要。
七合目登山口から出発した場合、蓼科山山頂へは最短ルートなのですが急坂が続きます。最も体力的に優しいのは大河原峠からのルートとなります。
・竜源橋から 登山口にトイレなし
・大河原峠 難易度低い
・蓼科牧場及び七合目登山口 人気のコース
蓼科山はよく初心者向けの山と紹介されることが多いのですが、より正確にいうと体力のある初心者向けの山です。
初日は蓼科牧場からスタートして蓼科山頂ヒュッテに宿泊
茅野駅から蓼科牧場へ向かう場合、途中の東白樺湖で乗り換える必要があります。しかもあまり乗り換えの連絡がスムーズではなく、事前に確認が必要です。
この日は茅野駅からアルピコ交通のバスで10時過ぎに東白樺湖に到着しました。ここからたてしなスマイル交通のバスに乗り換えるつもりでしたが、予定していた10時半過ぎに出る便は特別日のみの運行で7月は15~17日の3日間。この日は9日なので次の便は12時過ぎまでありません。予定段階で酔っ払いながらいい加減にダイヤを確認したためのミスでした。グーグルマップで調べたところ、東白樺湖から蓼科牧場までは徒歩で1時間ちょっとなので、次の便を待っているよりも早く到着するので歩いていくことに。
蓼科牧場には11時半前に到着しましたが、どうやらゴンドラリフトが動いていないようです。私が持っている八ヶ岳の2011年度版の山と高原地図には通年営業とあったので、それを鵜呑みにしていました。サイトには休業期間がきちんと記載してありますので、またしても確認ミスです。
従ってゴンドラリフトに乗るつもりだった区間も歩くことに。冬はスキー場なので斜面が続きいきなりふくらはぎを酷使することに。ゲレンデを踏み荒らさないよう右端を進みました。
振り返ると女神湖が見えますが、曇り空も気になるところです。
山頂駅に着いた頃に雨が降り出してきたので、こちらの軒下でレインウェアを装着。ですがゲレンデを登ってきたこの時点でベースレイヤーのTシャツは汗だくです。ドライレイヤーを着てくれば良かったかも。
ここから七合目登山口まで1km。ゲレンデと違い登山道らしくなりました。
2日目は蓼科山から二子山、北横岳へ
日の出は4時半ごろとのことでしたが、一晩中強風が吹き荒れておりこの日も朝は雨は降っていなかったのですがガスで視界がありませんでした。
朝食は5:30からです。メニューは目玉焼き、ベーコン、サラダ、豚汁、とろろなど。夕食も朝食もレベルが高いです。
準備をして7時に出発。まずは小屋を出てすぐの山頂へ。
雨は降っていませんが風とガスで景色もへったくれもありませんでした。
ほぼ視界が無い中、蓼科神社の奥宮を見つけました。この後小屋の方角に戻っているつもりが、まったく見当違いの方へ歩いていました。ヤマレコのGPSを頼りに軌道修正したのですが、人間の感覚はあてにならないことを実感されられました。
小屋の脇を通って将軍平へ。大石の続く岩稜帯で今度は足を滑らせ右手の小指を打ち付けました。角度が悪かったら折れてたかも。蓼科山荘ではTシャツを並べていました。急な雨が来たら大変そうです。
将軍平から大河原峠まではなだらかな道でアップダウンもあまりありません。
将軍平から大河原峠まで1時間で到着しました。大河原ヒュッテは休業しているようでした。駐車場とトイレがあります。ここから二子山を経由して北横岳を目指します。
双子山周辺は今回最ものどかなルートでした。天気は昨日よりはマシですが雲が立ち込めてどんよりとした空でした。
双子山を通過すると双子池が現れます。雄池と雌池があり、雄池は徹底管理されており飲用可能なほどの水質の高さ。ただし近年は周辺に鹿が増えており水質に影響を与えている懸念もあるそう。雄池には荷物の持ち込みはできず、飲食も不可。雌池には北八ヶ岳では数少ないテント場があります。