背面がメッシュ仕様のザックのメリットはなんといっても背中が汗でムレムレにならずに行動できること。逆に通常の背面パッドのザックは暑い季節はもちろん涼しい季節でも知らないうちに汗を掻いて、気付いたらビチョビチョになっていたりします。
背中の汗が気持ちいいという人はおそらく存在しません。なるべく衣服は乾いた状態でいたいですよね。
体調に関すること以外での登山中の不快感は蒸れに関わることが多くあります。靴の浸水、レインウェアの中の蒸れに次いで背中の蒸れは気持ち悪いものです。
いくら速乾性のシャツを着ていてもザックと密着していては汗はなかなか乾きません。休憩が終わって背中がビショビショの状態でザックを背負い直す時のヒンヤリ感は何度やっても慣れないですし、毎回ちょっとした覚悟が要ります。
背中とザックが密着している以上、熱が籠り汗を掻いてしまうのは避けられないものです。そこで背中とザックの間に空間を作って熱が籠らないようにしてくれるのがドッペルギャンガーのバックパック用メッシュスペーサー「背中蒸れんゾ」です。
「首の負担がZEROフック」と同様ほとんど捻りのないネーミングですが、その効果はあなどれないどころか、あるとないとでは大違いです。
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背中蒸れんゾの特徴
背中蒸れんゾを発売しているドッペルギャンガーはオートバイ用品ブランドです。ライダー用に開発されたアイテムですが登山や通勤にも使用できます。
メッシュで構成した2枚のサポーターにフレームを組み合わせて、背中とザックの間に最大約4㎝の空間を作り出します。ザックが直接背中に接しないことで通気性を確保し掻く汗の量が軽減されます。
素材は塩化ビニル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、炭素繊維となっており、SMLなどのサイズ展開はありません。カラーも黒一色です。
腰が当たる部分には左右にパッドがありクッションになっています。
背中蒸れんゾと同様のアイテムは他にもいくつか見受けられますが、それらと比べても見た目を犠牲にしていません。ザックを背負っている時はもちろん丸見えの状態でも不自然さはなく、初めからザックの一部分として内臓されているようなデザインです。
見た目大事です。
ザックへの取り付け方
ザックへの装着はとても簡単です。
まず脱落防止のためのベルトをグラブループと呼ばれるザックを手で持つときの輪っかに取り付けます。
次にザックの左右両方のショルダーベルトをぐるっと巻き込むようにして上部の固定ベルトを接続し、丁度良い長さに絞ります。
ショルダーベルトの下部分に下部固定ベルトを接続し、やはり長さを調節します。
最後にベルトリールバンドで余ったベルトを巻き上げて終了です。まったく難しい作業はありません。
シンプル過ぎて悩むところはありません。


背中蒸れんゾを使ってみた感想
実際に背負ってみたところ劇的に背中が涼しくなったわけでもなく、完全に蒸れが解消されたわけではありませんが、確実に効果はあり汗の掻き方が違いました。
ベースレイヤーの背中部分がザックに密着していないため、汗を掻いてもいままでよりも不快指数は下がりました。
いくら背中がビチョビチョにならない効果があるといっても背負った際に違和感あったら話にならないのですが、当初想像していた以上に自然な背負い心地でした。
多少の背負いにくさを覚悟していたのですが、まったくそんなことはなく長時間の行動にも影響はありませんでした。重量は300gなので背中蒸れんゾを装着したからといって、明らかに重量が増したという感じは受けませんでした。
ただし背中とザックの間に隙間ができた分、重心は心持ち身体から離れる感覚はあります。ですがこのことによって背負える重量に影響が出るほどではありません。
尚、高さが41㎝なのでテント泊などで使用する大型ザックにはフィットしません。
まとめ
背中蒸れんゾは涼しさを期待していると肩透かしを食いますが、背中の不快感は確実に軽減されることは確かです。お気に入りのザックだけど、背中が蒸れるのがイヤで真夏に使用するのはチョットみたいなお悩みは解決されます。
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