登山を始めてみようと思い立った時にまず何から揃えればよいのかわからない人も多いかと思います。登山道具は種類が多く、初心者にとっては途方に暮れてしまいますよね。
初めから全部買い揃える必要はありませんし、日常使っている物で代用が利く場合もあります。といっても登山は命に関わる行為なので、必ず専用の装備でないとマズイ物もあります。
この記事では登山を初めてみようと思っている初心者がまず何を揃えれば良いのか、無雪期の日帰り登山を前提として考えてみました。
必要な登山アイテムは季節や登る山、日数など条件により異なりますので正解は一つではありません。
登山における三種の神器
登山で三種の神器と呼ばれるのは登山靴、レインウェア、ザックです。但し最低限この三つがあればということではありません。絶対に必要な装備はこのほかにもあります。
・レインウェア
・ザック
登山靴
あらゆる登山装備の中で、最も吟味して選ばないといけないと言っても過言ではないのが登山靴。
間違ってもネットで購入なんて考えないでください。必ず店に行って店員さんと相談した上で購入すること!
好みのメーカーやデザインではなく、自分の足にフィットした靴を選ぶ必要があります。
ネット通販の発達により様々なモノが気軽に購入できるようになりました。登山用品も実際に店舗まで行かずともパソコンやスマホで簡単に手に入れることができますが、モノによっては実際に手に取って確かめる必要があります。その筆頭は何といっても登山[…]
初めての登山だし、簡単な山だからといってスニーカーなどで登るのはNG。凹凸のある地面を歩くと足の裏が痛くなりますし、簡単に捻挫します。また滑りやすいので危険です。
登山靴はソールが硬いのでアスファルトの上だと歩きにくいのですが、複雑な地形の登山道では必須の最重要アイテムです。
くるぶしの上まであるミドルカット~ハイカットのタイプを選ぶと良いでしょう。店員さんと絶対要相談。
レインウェア
例え天気予報で降水確率0%の快晴であってもレインウェアは持って行ってください。平地と違い山の天気は変わりやすく、天気予報はあくまでも目安に過ぎません。
山で雨に濡れると低体温症になるリスクがあります。もし低体温症になってしまったら、命の心配を真剣にしなくてはいけない状況になることを意味します。ケガや遭難と同じくらい怖いことだと認識して下さい。レインウェアは登山靴と並び最重要アイテムのひとつと言えます。
登山において傘は使えるシチュエーションが限られており、基本的に雨が降ったらレインウェアで対応します。レインウェアは透湿性があり、雨は通さず汗を蒸発させます。
結構いいお値段がしますが、雨具にお金を掛けることに躊躇してあまり安い物を購入しない方が良いです。雨の中の登山は気持ちのいいものではありませんが、レインウェアの性能によって快適度が違ってきます。
コンビニで売っているようなビニール雨合羽は汗が蒸発しないので、内側が蒸れてしまい不快指数がどこまでも上がっていきます。
ザック
いわゆるリュックサックです。荷物が軽ければはじめは普段使っているものでも構いませんが、登山用のザックは重量を肩だけではなく、腰でも支えるようベルトがついています。更にザックを背中に密着させることができるようハーネスで細かい調節ができるのも特徴です。このように負荷を分散させることにより身体への負担が軽くなります。
更に耐久性にも優れているので簡単なことでは破れたり、ベルトの接続部分がとれたりしません。
夏の日帰り登山なら20ℓでも大丈夫ですが、山小屋に1泊したり春や秋など荷物が増える場合は30~40ℓくらいのサイズが必要です。
ザックを選ぶ際に大事なのは実際に背負って感触を確かめましょう。登山靴ほど神経質になる必要はありませんが、ザックによって背負い心地が違ってきます。
三種の神器以外でも絶対必要なアイテム
三種の神器以外でも必要不可欠なアイテムはあります。
ヘッドランプ
登山は日が暮れる前の明るいうちに行動するのが基本ですが、思わぬ事態で下山が日没後になってしまう可能性があります。使う使わないに関わらず、必ずヘッドランプを携帯しましょう。
スマホのライトは暗い状況では片手が塞がり危険です。バッテリーも消費しますのでオススメしません。
地図
アプリで地図をダウンロードするとしても、それとは別に紙の地図も持って行くのをお勧めします。万が一バッテリー切れなどでスマホが使えなくなったら頼りになるのは紙の地図です。
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速乾性のあるウェア
登山ではアンダーウェア、ミッドウェア、アウターの3レイヤーが基本ですが、真夏ならTシャツ1枚で登ることもできます。その場合でも防寒具となる長袖のウェアを用意する必要があります。
肌に直接触れるウェアは汗が早く乾くポリエステルなどや汗を吸っても冷えを感じさせないメリノウールが適しています。
コットンは乾きが遅く、水分を含むと寒さを感じさせるのでダメ。例え真夏であってもコットン製の普段着のTシャツは登山では使えません。
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トレッキングパンツ
トレッキングパンツは伸縮性があり動きやすい作りになっています。ジーンズやコットンパンツは足を動かしにくいので適していません。
スタッフバッグ
荷物は直接ザックに入れるのではなく、種類ごとにスタッフバッグに小分けにして収納します。そうすることでスムーズに必要な物を取り出すことだできます。
更に荷物を雨から守ります。激しい雨の中ではザックの内部が濡れてしまう可能性があります。着替えが濡れたら最悪ですよ。
スタッフバッグには完全防水ではないタイプもあるので注意。
マストアイテムではないがあった方が良いモノ
絶対に必要とまではいきませんが、あれば便利な物です。難易度の低い登山でしたら用意ができなくても致命的なミスにはなりません。が、忘れても良いという意味ではありません。
ストック
トレッキングポールとも呼ばれます。マストアイテムではありませんが、初心者ほどあったほうが良いとも言えます。
ストックを使用することで足の負担を減らせますし、転倒の防止にもなります。転ばぬ先の杖ですね。体力に自信のない人はストックの力を借りることをお勧めします。
ザックカバー
ザックを雨から守ります。ですが完全に雨を防げるわけではありません。なのでザックカバーを使用しないという人もいます。
インナーウェア
真夏にTシャツ1枚で登るなら必須ではありませんが、汗冷えを起こさないためにもインナーウェアはあると快適です。もちろん真夏に着用するのもアリです。
汗を素早く吸い上げ、体を冷やさないことで低体温症のリスクを下げます。夏以外の季節ではマストアイテムに入れてもいいかも。
モバイルバッテリー
重いのが難点ですが、登山にスマホを持って行くのが当たり前の時代はモバイルバッテリーは重宝します。
登山専用でなくても代用の利くアイテム
必ずしも登山用でなくても良いアイテムもあります。ですが普段使いのアイテムが登山に利用できるかどうかを判断できるのは経験者でもあります。初心者はなるべく登山用のものを用意したほうが無難といえます。
・グローブ 岩場や鎖用に軍手でも可だが雨に濡れると冷える
・帽子 直射日光を避けるのが目的
・ダウン 休憩中や山小屋で着る、基本的に行動中は着用しない
・タオル 速乾タオルが便利、普通のタオルは臭くなる
・腕時計 高価な時計は傷付くかもしれないのでやめたほうがいい
・その他 気にならなければジャージを着ても可だがコットン製は不可
登山道具を一通り揃えると経済的にも負担が掛かります。およそ10万円ほど掛かりますので、それはちょっとと思われる人は、まず初めはレンタルからという手もありますよ。
やまどうぐレンタル屋という便利なサービスもあります。登山を本当にやるかどうか躊躇している人にはまずレンタルを利用した方がハードルがグッと下がります。
まとめ
一度にすべての装備を揃えることは難しいかもしれません。
初心者のうちに何度か初歩的な低い山を登っていると、何が必要なのかを実感していくと思います。更に登山の難易度が高くなるにつれて必要な装備も増えていきます。
どういった装備をどのような理由で選ぶかは経験によって培われるので、誰でも初めからわかっているわけではありません。
これから登山を始めようとしている人は、いざ道具を購入しようとしても何を基準に選べば良いのか判断がつかないことがあると思います。ザックや靴やウェアなどそれぞれ買い揃えるべき物はわかっていても、それらの中から具体的に何を選べばよいのかがわか[…]